The Wizard of Science

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翻訳者達:翻訳業界その知られざる話4

 色々と話を聞くと、大昔には翻訳者が翻訳会社の中にいたこともあったらしい。
 やってくる仕事を翻訳者が直接請け、お客様に挨拶していた・・・こともあったそうな。
 大体、戦後すぐぐらいの話のようで、60年代にはその形態は廃れていた・・・そうな。
 遠い遠い昔の話。

 だが、今も翻訳者が翻訳会社にいる、と思っている人は多い。
 というか、大部分の人は常識だと思っている(けどそれは業界において非常識)。
 いや、一応いることはいるのだが、いてもあくまで数名。あくまで緊急時の補助的な存在としての役割が大きい。
 実は翻訳と通訳というのは古い時代から派遣業として存在している由緒ある存在なのである。
 今の時代に言うのもなんだが、派遣の中でも特に特別な業務として輝いていたのだ。


 そもそも、いつどこで仕事が手に入り、その仕事が自分に合うかどうか分からない上、個々の注文を受けてからでないと仕事に取り掛かれないという巨大なリスクを抱える翻訳業は、通常の会社形態では本来存在し得ないのである。
 どんなにITが発達したとはいえ、実際に翻訳者にスケジュールを聞き、仕事に取り掛かってもらうまでの手間は変わらない。
 仕事に適切な翻訳者を探している間、数時間が過ぎることはよくあることである。
 最低限中一日、よっぽど無理すれば当日中は無理ではないが、それもよっぽど暇な翻訳者にうまく連絡が取れたときに限る。
 そして、そういう翻訳者というのは仕事がない=実力が伴っていないことが多い。

 それでも、昔は直接紙を手渡しに行っていた上、人が実際に紙の上に書いていたのだから、まだ客も待ってくれたし、ミスがあってもとりあえず英語になっていれば満足してくれたそうな。
 最近は機械翻訳なんて面倒なものが登場したせいで、翻訳会社に行けばその場でやってくれる、と勘違いしている人間がやたらと多い。
 しかも最近は自称「英語できる」という人も多いわけでこういう人間を相手にしていたら丸一日潰れてしまう。

 特に簡単なミスほど実は厄介である。
 人間は誰でも間違えるし、特に急がせればなおさらの事。
 だが、極限の中でスケジュールは過密の翻訳者に更に仕事を入れると当然ミスも増える。
 いくら経験豊富といえども人間には限界がある。

 だが、客は「翻訳会社ならミスはない」という妄想が常に存在している。
 だから、たった一つのミスだけで大きな損失・・・というリスクが常に付きまとっている。

 実力がトップクラスであることはトライアル試験等で確認済みなのだが、たった一つの数字のミスで仕事を失うといったことも多々ある。
 もちろん、ミスは悪いし、誤るしかないのだが、それに対する反応が日々過剰になっているのではないかと思う。

 「翻訳者」という人間がやることを求めているにも拘らず「人外な要求」を行うとはこれいかに、と思う。プロは人間ではないのだろうか?
 ミスをしない人間は人間ではない。
 ミスを恐れるのならば、十分な時間とチェック体制の完備、それを許すコストを補填することとなどが必要だろう。
 ミスを「ミスするな!」というだけでは何にもならず、それをしないための状況を作り上げることがまず大切だろう。


 まずはこれを読んでくれた人から、「翻訳会社に当日翻訳を頼むこと」の無茶を理解していただければと思う。
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  1. 2009/02/19(木) 23:30:13|
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