The Wizard of Science

人類学のこと、歴史・考古学のこと、航空機のこと、特許のこと、海外の言語や書籍、などなど、たまには横道にそれたりする長文が多めなブログです。

新種の人類の発見

引用元:2010/3/24の財経新聞
    http://www.zaikei.co.jp/article/biznews/100324/45654.html
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4万年まえの未知の新人類発見‐ロシア南部「デニソワ人」

DNAの解読結果から、いまより104万年前に共通の祖先から分かれていることがわかった。研究チームはこの骨の粉末30ミリグラムから細胞内の小器官であるミトコンドリアのDNAを抽出し、塩基配列を解読した。

人類やネアンデルタール人と異なる未知の人類とわかり、「デニソワ人」と名づけた。
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 個人的にかな~り大きなニュースだったので紹介。
 ネイチャー電子版には詳しい論文があり、こちらを使うのが本来望ましいのですが、あちらの最新記事は有料なのでブログでの使用は控えてます。
 年度末を迎えてくたびれていた時に久しぶりに落ちかけていた瞼を開かせてくれるようなニュースでした。
 う~ん、やっぱりこの分野に戻りたいなぁ…。大学にいたら議論で盛り上がって資料の山を積み上げるところなのですが。

 さて、おおざっぱに現代人の出現はDNA(色々と諸説あるけど)及び化石記録では16~20万年前ぐらいまで推定できていたと思います。
 その私たちの直系の祖先である現代人が出現した後にも複数の"別の種類の人類"がいたことが分かっています。

 有名なものではヨーロッパ~西アジアにいたネアンデルタール人やインドネシアのフローレンス人などがいますが、これは人類が歴史を綴る以前に全て絶滅してしまっています。
 現在の地球上にいる人間はその見た目は多種多様ですが、あくまで生物学的には一つの種です。

 複数の"別種の人類"と現代人が共に生きていた時代の地球というのは非常に大きな謎に包まれています。
 なぜ、彼らは絶滅して私達現代人の一種だけが残ったのでしょうか?
 少なくとも、ネアンデルタール人に関してはかなり高度な知能と頑丈な体格を持ち合わせ、文化の片鱗も残しています。
 恐竜やその他古生物の絶滅とはまた別に、「人類の絶滅」というテーマ、他の動物では成しえていない高度な知能を持ちながら消えていったという事実は私たちに非常に直接的かつ大きな命題を突きつけてきます。

 ただ、その証拠となるものは少なくとも共生していたと分かるものは上記の2種ぐらいで(フローレンス人は小人症の現代人という話もありましたが、それはどうやら違うという話を記憶しています)、それも当時の環境の変化による影響や社会構成の問題がいくらかの証拠を基に指摘されているため、現代人が地球に広がっていく過程の側で適応できずに滅びていったという考えもできました。

 しかし、今回の第三の種の発見により、現代人がいた同じ時代に更に多くの"別種の人類"の存在を考えざるを得ません。
 そして、彼らは全て一様に絶滅してしまっているのです。

 もちろん、この「デニソワ人」の化石は彼らの詳細な骨格を教えてくれるものではありません。
 しかし、どうやら高度な石器を使っていたらしいので、DNAの情報とあわせてかなり現代人に近い段階であることが分かるようです。


 早とちりですが、今後、こういった"別種の人類"が今の私たちの祖先と共生していた事実が更に確認され続けたらどうなるのでしょうか?
 恐らく初めはアフリカで一部の勢力でしかなかった私たちが今世界中で生きているということに対して、これまでは踏込まなかった部分にまで入って色々と考えなければならないことが出てくるのでしょう。





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テーマ:進化学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2010/03/28(日) 01:40:40|
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