The Wizard of Science

人類学のこと、歴史・考古学のこと、航空機のこと、特許のこと、海外の言語や書籍、などなど、たまには横道にそれたりする長文が多めなブログです。

ロシア旅行記(後編)

前篇に引き続き旅行の後半について書いていきたいと思います。

8/2
朝は再びサンクトペテルブルグ市内を観光。最初に訪れたのはカザン大聖堂です。
ここは歴史的にも重要な聖堂なので、個人的にも行ってみたかった聖堂の一つ。
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内部は残念ながら撮影禁止なので外観のみ。後述する血の上の救世主教会もそうですが、ロシア正教の教会は西側の教会に見慣れていると違いが多くて楽しいですね。
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続いてウォーゲーミング社を訪問。サンクトペテルブルグ市内からは少し離れたところにあり、バスで約30分~1時間程度かかったと思います。
こちらはWorld of Warships(以下WoWS)の開発会社であり、コアなウォーゲームファンならPacific StormやThe Entente: Battlefield WWIを開発したLesta Studioだと聞くとピンと来る人もいるのではないでしょうか。とはいえ、私も事前に調べてはいなかったので、オフィスに同社が過去制作したゲームが飾られていたのを見てようやく気がついたのですが。
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私自身はゲーム会社に勤めている人の話は聞くものの、ゲーム業界人でもなんでもないため、はじめてみる物も多く色々と興味深かったです。
特に印象深かったのは、制作会社として非常に規模が大きい事(350人くらいとのこと)、部屋のスペースに余裕があって机が広く、また各フロアにセキュリティーが敷かれているといった態勢は日本の会社ではなかなかお目にかからないので珍しかったです。
大規模プロジェクトなだけあって各部門に分業化が徹底されており、プランニング、テスター・デバッグ、音響、モデリング、シーナリー、歴史資料・監修にはそれぞれ作業部屋と統括するリーダには専用の部屋が用意される等充実していました。
各部屋では案内の女性が進行途中でちょっとしたクイズを用意するなど、楽しませる努力も見られます。
ちなみに、ここでも源文先生はツアーの進行には目もくれず可愛い女性社員にサイン入り漫画を渡してナンパし、楽しそうに写真を一緒に撮っておられました。創作活動するからには誰もが見習うべき弛まぬ営業努力ですね。
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ゲーム関連の部門が充実ぶりも目を見張りますが、実は元々Lesta Studioは映像会社として出発しているため、現在でも強いのは映像部門。WoWSの起動時や宣伝用に作られた美麗な映像はこの映像部門が以前から培ってきたもので作られているわけですね。
特別に未公開映像も見せていただき、お土産にウォーシップカップも頂いたという優遇ぶりでしたが、さすがこの手の分野に入れ込んでいる方々からは映像に関して厳しい意見が飛び交います。個人的にはよかった部分も多く、できればゲーム・映像を趣味で作っている端くれとしても製作者の方々とも色々お話しできればよかったのですが、スケジュールが決まっていて大人数のツアーだけに帰り際僅かに話せたぐらいだったのが残念でしたかね。
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War gaming社内の食堂で昼食後は再びサンクトペテルブルグ市内へ戻り、軍装店へと向かいます。
個人的にはそこまで軍装を付けたいという意識は低いので、店が狭いこともあり外で他のツアー参加者の方々と話しつつ待っていたのですが、客層として結構しっかりと軍服を着こんだご老人から、家族連れまでやってきており、艦船見学と同様、幅広い年齢層の人達が軍事関係に訪れるロシアの様子はとても面白かったです。
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その後、再度サンクトペテルブルグ市内の自由観光。
私は血の上の救世主教会とロシア美術館に行ってきました。
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血の上の救世主教会はカザン大聖堂と違いソビエト時代の扱いと観光名所として確立したこともあって中でも写真は撮り放題でした。目を引くのは美麗な聖人達の絵であるイコンと各種色とりどりの装飾。西側の教会と違いキリスト像やステンドグラスがないのも大きな違いですね。あと、教会の中に連なるお土産屋。西側も全くないわけではないですが、ここまで多いと不思議な感じがします。
土産物屋といえば、こちらも観光スポット周辺には京都などと同様出店が出ているのですが、それほど売り子が熱心ではないのが気になりました。まだ、同人誌即売会の方が熱入っていますね。全体にソビエト時代の名残なのか、特定の力を入れている個所以外のビジネスにはロシアはあまり執着しないように思えました。
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残りの時間で入ったロシア美術館なのですが、こちらは広大な敷地に案内板があまりないということもあって迷ってしまい、残念ながらあまり見て回ることはできませんでした。英語の案内もあるにはあったのですが、部屋によっては全くなくなってしまうこともあり、最後ちゃんと元の集合場所に帰れたのは奇跡的だったように思います。それでも個人的に好きだったボルガの船曳の実絵が見れて、ひとまず目的は達したというところですか。
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また、移動している途中で僅かな時間でしたが本屋に立ち寄ることもできました。
簡単な写真か絵の多い歴史/軍事系の本があれば欲しかったのですが、思ったほど本の種類は少なく、気に入ったものは手に入らなかったので戻ることに。話によればサンクトペテルブルグ一大きな本屋らしいのですが、それにしては日本や西側欧州諸国の本屋に比べると充実度もそれほどなかったように思います。英語の本等が混ざったりしていたので、この国ではそれほど出版事情が良くないのかもしれません。
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夕食後はそのまま夜行列車に乗ってモスクワへ向かいます。駅へ向かう途中、強烈な雨が降り、更に気温が一気に低下。さっきまで暑いと言っていたのから一転し、寒さに震えることに。ロシアはとにかく暑くて寒い国でした。
寝台列車はひたすら狭く、4人部屋に荷物を入れるとほとんど寝る以外できないものでした。添乗員さんの話だと就寝時に窃盗が相次いでいるというので、必ず鍵をかけ、トイレに行くときには誰かを起こしておくということになります。サンクトペテルブルグからモスクワは距離が長いため客車はディーゼル車で引っ張り、途中で一度補給するという珍しい状況を楽しむ……余裕はありませんでしたかね。それでも、思ったより客車自体は新し目だったのと揺れは酷くなかったので私はそこそこ熟睡できたように思います。

8/3 
朝6時頃にモスクワに到着。そのまま午前中はクレムリンと赤の広場を中心にモスクワの市内観光へ。
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この日は偶然にも空挺降下兵の閲兵式があるということで、赤の広場は朝から閉鎖。外のフェンスから有名な建物の数々を写すしかなかったのですが、その降下兵達の行進を見ることができるという、この手の趣味の人にとってはむしろサービスといえる状況でした。
恐らく、このまま待っていれば再度プーチン大統領登場……ということも考えられたのですが、最大の目的であるクビンカが待っているので先に進みます……。
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ボリショイ劇場、モスクワホテル、カールマルクス像と立ち並ぶ広場は圧巻でしたね。
時間が短く僅かしか見られなかったのが残念です。とりあえずツアーのみなさん、世界を変えた最強の引きこもり、と言って拝んでいました。
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大祖国戦争の英雄ジューコフ像を拝む。自作ゲーム、WWII英雄列伝シリーズの次回作以降の有力候補です。
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兵隊の交代式も見ることができました。元々赤の広場にあるレーニン廟を訪れにソビエト中から集まった人に見せるためにはじまったのだとか。
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第二次大戦の慰霊モニュメント。各都市の名前は当時のものになっています。
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モスクワ市内観光の後はいよいよツアーのタイトルにもなっている世界最大の戦車博物館がある郊外のクビンカへ。
ここから夕食までずっとこの博物館で戦車を堪能するのでテンションがあがります。ですが、高速で事故渋滞に巻き込まれ、予定より1時間以上もオーバーして到着することに。
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それでもなんとか辿りついたクビンカ博物館、以前は戦車の入った倉庫が立ち並ぶだけの本当に好きな人以外お断りな場所だったらしいのですが、どうも観光スポットとして最近は力を入れている様子。入口から他のロシア観光名所を越えるしっかりした作りで出迎えます。
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博物館敷地内でランチ。子供用の遊具や売店等も配備されており、意気込みは感じますがまだまだ一般向けになるような可愛さが若干足りません。子供用遊具の横に刺の付いた大きな機雷がどかんと鎮座しているのは安全だとしてもなんともいただけない雰囲気……。
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ドイツ戦車の多くは残念ながらレストアに出されてしまっており、残っているのは僅かでしたが、この博物館にしかない目玉車両はちゃんと展示されていたので一安心。念願のマウスとカールにご対面。シュタール・エミール、ヴァッフェントレーガー、1号対戦車地雷処理車、クーゲルパンツァーなどレアな車両もここでしか見られないので、とても嬉しかったです。
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見たことがある車両でも他の各国戦車とすぐに比較できるので、印象が変わったものも。英米軍の戦車は結構大きくて迫力があります。このチャーチル・クロコダイル火炎放射戦車はなかなかレアな一品。IMG_4894.png
ですが、なにより展示品の種類と量で圧倒されるのはソ連戦車達。T-55なんて10両ぐらいバリエーションがあったような気がします。T-34もあちこちで見かけるので、最初は感激しても段々いて当たり前、な感覚になってくる恐ろしい所。全般にソ連戦車は背が低めで、他国の戦車に比べると小ぶりな印象を受けました。
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日本・ポーランド・ハンガリー・中国・イタリア・フランス・スウェーデンの戦車は一つの建物にまとめてありました。日本戦車の保存状態の良さに驚くとともに、恐らくはロシア人が推測して書いたと思われる妙な文字が目を引きます。カミ車をソ連が持っている経緯を知りたかったのですが、解説の人はそこまで多くを語ることはなく。
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館内は薄暗く通路も制限され、写真を撮るにもじっくり観察するのに向かないので、どちらかというと屋外展示の方が魅力的でしたね。写真はT-70軽戦車。詳しいことを知るだけなら実際問題専門書の方が優れているのですが、こうして実物を目の当たりにするとモデルを作りたいモチベーションが湧きあがってきます。
写真の後ろは射撃場になっており、私はやらなかったのですが、お金を払えば空砲を打たせてくれるサービスもあります。
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その後はクビンカからモスクワ市内に戻って食事後空港へ。日本の8/3の夜中に到着。そのまま解散となりました。
帰りの飛行場まで体調を崩したままの人もいましたが、比較的余裕を見ていたスケジュールのおかげで大きな遅れはなく無事搭乗・出発できました。
ただ、搭乗後、飛行機の中で知ったのですが、経由地のドバイで私たちの乗っていた機が飛び立ってから3時間後に事故があったらしく、結構間一髪だったようです。もし、巻き込まれていたらもうしばらく日本に帰れなかった可能性も……。

以上、旅の間は様々なトラブルがありましたが、最終的には大きな問題もなく無事帰国できましたし、まず普通はなかなかいけない場所、できない体験が色々できて、なにかと厳しい国でもありながら現地の人とも打ち合わせと調整を重ね最後まで進行していただいた添乗員さんには特に感謝の念が堪えなかったです。
また、このような企画があればぜひ参加してみたいと思える旅行でした。




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  1. 2016/08/13(土) 16:31:10|
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