The Wizard of Science

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またもや新種。ホモ・ガウテンゲンシス

どうしたんだろう、今年は?

また新種の報告ですよ。
名前はホモ・ガウテンゲンシス(Homo gautengensis)。またまた人類の別種が増えました。

化石自体は既に見つかっており、今回のはその研究結果の報告ということなのですが、それにしたってここ数ヶ月で一気に人類の近縁種が三種類と増えたわけで、こんなことはめったにない。
また人類学の本も色々と書き直しになるんだろう。

んで、実際の研究内容を書いた論文は数日後にHOMOに載るらしいのですが、今回はあくまで記事を見ただけの雑感をポイントごとに書いてみます。


参照URL: http://anthropology.net/2010/05/21/another-homo-in-the-family/


new-homo-gautengensis-human-ancestor_20941_big.jpg
ホモ・ガウテンゲンシスの頭骨。


まず年代。200万~80万年前とのことで、これはもう完全にホモ・エレクトス(北京原人やジャワ原人が含まれる種)の出現年代と被ります。
ホモ・エレクトスはその骨格の形態からかなり高い直立歩行能力と知能を持っておりずっと我々に近いのですが、今回見つかったこのホモ・ガウテンゲンシスは頭骨からだけでもずっと原始的な印象があります。
つまり、同時代に古いタイプの人類と新しいタイプの人類が混在していたことになります。
また、この間見つかったアウストラロピセカス・セディバやその記事で紹介したパランソパス種とも年代が非常に近く、この時代のアフリカの混沌ぶりは想像していた以上にすごいものであるかもしれません。


さて、そのホモ・ガウテンゲンシスの原始性ですが、
・額の部分が大きく隆起して頭は平らに後ろへ伸びている。
・吻が比較的前に出ていて犬歯が発達している。
・側頭骨が発達して左右に突き出している。
というところから、まず脳の容積はそれほど大きくなく、顎の筋肉や骨が発達していてかなり噛む事に依存していた生活体系(つまり道具による食物の処理を行うことはあっても少ない)ということが見えてきます。

また記事では石器とそれによる傷。食人の可能性が指摘されています。
パランソパス種を食べていた可能性もあるとのことですが、いまいち記事だけでは見えてこない部分も多くなんともいえません。
マスコミ的には食人という言葉は映えるので大きく扱われた可能性もあり。
そもそも、別種の人類同士がどういう関係にあったのかははっきりとした証拠の提示は非常にむずかしいわけですし、ただ焼けた骨なら食人以外に別の理由も考えられるわけで。


そして、間違いなく問題になるであろうはこのガウテンゲンシスとホモ・ハビリス関連。
あくまで文献や細かい特徴を分析しない上で述べますが、ガウテンゲンシスはハビリスよりはずっと原始的な印象があります。
ハビリスがそうだったようにアウストラロピセカス種へ分類しなおされる提案が今後出る可能性は十分にあります。
そして、もしかすると、以前紹介したアウストラロピセカス・セディバよりも側頭骨の特徴からパランソパス系に近いという考えもできるかもしれません。
ただ、アウストラロピセカスだとすると、80万年頃までこの種が生きていたとするのはこれまでの学説を大幅に変えなくてはいけなくなります。


つまり、進化の過程での位置づけが非常に難しいというか記事や骨だけでは非常に混乱させる存在です。
この種に関してはちょっと慎重に見たがいいかもしれません。

今後も研究結果や発表のニュースがありましたら、随時更新していきたいと思います。


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テーマ:進化学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2010/05/28(金) 01:09:33|
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