The Wizard of Science

人類学のこと、歴史・考古学のこと、航空機のこと、特許のこと、海外の言語や書籍、などなど、たまには横道にそれたりする長文が多めなブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

裏と表の文化「イギリス編」

 最近はあまり聞かないような気もしますが、日本人はものをはっきり言わない…云々の話はなかば「和の心」と同じような感じで捉えられて、一般的な認識と化していると思います。
 実際は「和の心」と「ものをはっきり言わない」は全くの別概念なので、単に努力不足で上手くものをいえない人が言い訳としている場合がほとんどなわけですが、ここでは「和の心」とは何か?という歴史的な命題よりもまず「日本人以外はものをはっきりといわない=湾曲表現をしないのか?」というところについて書いてみたいと思います。

 結論から言えば、日本以外のどの国にも「高度な婉曲表現」があり、ちゃんとそういう表現を使い分けて日々のコミュニケーションを円滑にしたり、また逆にお互いの本心が知り得なくて悶悶とした日々を送っていたりします。
 ただ、そういうことは実際に生活して見なければなかなか知りえないことでもありますし、また言語の壁があって、どういう婉曲なのかを説明するのが非常に困難であったりします。更に言えば、言葉とはまた違うところでの文化に気がつかないと、何年も暮らしていながら結局そういう表現が分からない…ということも十分にありえることです。

 なので、なかなか目に見える形の資料として参照することが無く、また同一の認識を広域で共有することが非常に難しいため、「日本以外にそういう婉曲表現はない」と信じることになるのだと思います。
 そもそも、"はっきり伝えたくないから使う表現"を"理解しようとする"という時点でなにか矛盾しているような気もしますが、そういうところを慮れてこそ実は国際交流という奴がはじまるのではないかと私自身は勝手に思っていたりします。


 さて、そういう表現の理解のために今回用意した資料が以下になります。
 「英語を話す人ははっきりと伝える」という幻想を崩す、イギリス人の婉曲表現集です。
 参照元はこちら>http://www.scribd.com/doc/55551980/Anglo-EU-Translation-Guide 
 この中から特に目に付いたものをいくつかピックアップします。



・イギリス人が実際に言ったこと。 That is a very brave proposal. 訳:なんて勇気ある提案だ。 
 実はイギリス人が意図すること。 You are insane. 訳:お前頭おかしいだろ。
 他国人の理解。         He think I have courage. 訳:私に勇気があると思っているんだろう。

 *奴らが大仰に「勇気ある」なんて言っている場合は大抵皮肉であることが多いように思う。


・イギリス人が実際に言ったこと。 Quite good 訳:なかなかいいね。
 実はイギリス人の意図すること。 A bit disappointing 訳:ちょっと残念だ。
 他国人の理解。         Quite good 訳:なかなかいいね。

 *イギリス人の言う大抵のgoodはgoodじゃないし、badはbadじゃないので基本事項として押さえておかないと人間関係が微妙なことに…。


・イギリス人が実際に言ったこと。 I'm sure it my fault. 訳:それは確かに私の失態です。
 実はイギリス人の意図すること。 It's your fault. 訳:お前のせいだよ。
 他国人の理解         Why do they think it was thier fault? 訳:なんで自分のせいだと思うの?

 *どちらかというと文化的な差異で、大抵の国では悪いといった方が悪いのだが、イギリスは異なる場合がある。日本人も自分は悪くなくても「申し訳ございません」とか「私にも至らぬ点が…」と言ったりするがこれとは似て非なるので注意。イギリス人が「自分が悪い」と言う場合は相手に対して「てめぇの至らなさを自覚しろ」ぐらいの強い意志がある。


・イギリス人が実際に言ったこと。I only have a few minor comments. 訳:ちょっとだけ細かいコメントがあるんだけど。
 実はイギリス人の意図すること。 Please rewrite completely. 訳:全部書き直してくれ。
 他国人の理解。        He has found few typos. 訳:いくつかタイプミスを見つけたんだな。

 *銀行等で書類手続きに戸惑う他の欧州人との会話で見たことがある。
 日本でも「ちょっと」が「ちょっとではない」ことは良くあるが、類似のケースだと思う。日本でもそうだが、だからといって「嘘つき」とか思ってはいけない。一応、むこうも気を使っているのだ(面倒ごとを避けたいだけかもしれないが…)。

 
・イギリス人が実際に言ったこと Very interesting 訳:とても面白いね。
 実はイギリス人の意図すること This is clearly nonsence 訳:全くわけ分からん。
 他国人の理解         They are impressed 訳:印象深いみたい。

 *「面白い!」といった側から忘れる、という認識でも構わないように思う。「面白い」とは色んな意味に転用できるので、その場の取り繕いに便利。Veryに限らず妙な強調には否定的な意味合いが強いように思う。


・イギリス人が実際に言ったこと  You must come for dinner 訳:夕食に来いよ。
 実はイギリス人の意図すること  It's not invitation, I'm just being polite. 訳:別に誘ってない。対面を保ってんだ。
 他国人の理解          I'll be get an invitation soon. 訳:お誘いがすぐにくるんだろうな。
 
 *奴らに親近感を抱いたのはいわゆる「今度夕食でも」が普通に通用していたこと。日本人は状況を見て気がつけることが多いように思うが、よく騙されるお国柄の人もいるので厄介。根がまっすぐだと島国で生きるのは大変だ。ちゃんとお誘いがある場合は具体的な話(場所・時間・料理の内容等)がすぐについてくるので一応見分けはつく。
 ちなみにこのリストを紹介した友人はコメントで皆から You must come for dinner.と言われていた。
 


 もっと見たい人は(英語だけですが)上のURLを参照してください。
 ただ、それほど英語ができないと分かったら、文字通りの意味で話してくれるので心配は無用です。酒が入ると容赦ないけど…。


 こんな風に言葉の意味がそれこそ180度変わってしまい、それを楽しんでいる彼らですので、人によっては物凄く嫌いであるようです。
 ですが一応、彼らもこの文化を誇りに思っているので間違っても「嘘つき」とか「偏屈」とか言わないで、面白がるぐらいがちょうどいい…と私は思っています。


 他の国にもまたそれぞれの特徴ある婉曲表現があるのですが、それもまた機会を見て紹介できればと思います。








 
スポンサーサイト
  1. 2011/05/19(木) 23:17:48|
  2. ただの雑記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<「遊び」に関する考察 | ホーム | アウストラロピセカス・セディバ追加情報>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pantarasa.blog54.fc2.com/tb.php/138-b4ee527e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

ジュンジ/Junji      HN: saizwong

Author:ジュンジ/Junji HN: saizwong

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

呟き

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

Pixiv

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。